夢中で君に恋してる

ジャニーズとレモンサワーとハラ美

2022年、わたしの中の本屋大賞

今年もたくさんいい本を読むことが出来たな~~~って中で特に記憶に残ったよ! っていう2022年の本たちの記録 

 

・ミン・ジヒョン【僕の狂ったフェミ彼女】
去年は「多様性」について考えることが多かったなか(多分正欲の影響)特に目覚めたってわけでもないし、公言します!ってわけでも全然ないんだけど、今年は「フェミニズム」について考えることが多い1年でした。なんでもかんでもフェミ的には!って思うわけではないんだけど、女として生きてて、なんだかなあ???って頭捻ることも無きにしも非ずで、そこで、話題になってたこちらを読んだんだけど、面白いっていう言い方はさておきよかったな~。共感と嫌悪で感情がすごい忙しかった。今年1番心に残った1冊となりました。フェミニスト題材だけど、 主人公は「僕」であって、この男がもっとこう、心情が変化していくのかなぁと思ったら、思ったより全然変化していかなくて、でもこれが現代社会なのかもしれないなって思ったり。いうて私だって結局男の人には敵わないって思ってるところもあるし。でもよくある陳腐な「君を守りたい」 みたいな言葉はもう一切わかんないわけです。えっと…何から? 何から守ってくれるの…? 1人でいても2人でいても将来の不安は変わらないし…。ちょっと前にあった東大医大の女子受験者だけ一律減点とかまじで 許せんなって思う。「説明しないと分からない人は説明しても分からない」ってもうこれ心理。まだ「フェミニズム」のことを全然理解できてないし、それこそ完璧な定義はないんだろうけど、来年はもうちょっと理解していきたいなぁ。余談だけど、母世代はやっぱり家事は女がやるものと思ってるところがあってこ ないだ「洗濯物畳むなんて男の人嫌でしょ~」って言っててびっくりしました。洗濯物畳むのに、 男も女も関係なくないか…?女だけど全然嫌なんだか…?女が仕事してても当然の顔されるのに、 男が家事をすると褒められる風潮、解せぬな。ってことで今年の1冊に選ばせていただきました。電子書籍で購入しちゃったのが悔やまれるので、書籍で買おうと。でもこれ、男の人が読んで響くものあんのかな…女こえ~って一番最低な解釈されて終わりそう。本当は女より男が読むべき作品だと思うんだけどな。

 

•金原 ひとみ【fishy】

今年、 20代の時はなんとなく近寄るのをやめていた金原ひとみブームが突然やってきて、それはもう狂ったように未読の作品をアマゾンの中古で買い漁りました。その中でも私はやっぱり女の脆い関係性や、はたまたシスターフッドものが好きなんだな~と思った1冊がこちらでした。女3人。不倫する側される側、素性の分からない嘘だらけ(の、ような) 女、腹の中の汚いところやお互いに対する嫌悪やどろどろしたものを隠しながらも、惰性で集まったり酒を飲んで近況報告をする、みたいな入りなんだけど、もうこの3人の会話を隣の席で聞いていたかったよ、 ワイン飲みながら…。そんで次の日友達に「 昨日となりだった3人組の女の会話がやばすぎた」ってすぐ話題にしちゃうと思う。 1番うさんくさいユリの言葉がとにかく刃すぎてすごかった。「愛する才能の愛される才能もないうえに、愛する努力も愛される努力もしなかった。それが旦那との関係が壊れ原因で同情の余地なし。」 なんて人に言われたら泣いちゃう…。 なんなんだろうこの人の切り口というか鋭いナイフでグザグサ刺されるのに気持ちいいというか…読んでる時、ずっと気持ちがマゾになってた気する。友達じゃない、やっぱこいつ嫌いだな、って思ってるのになぜか一緒にいる3人は正直理解できないけど、だからこそ明け透けなくものが言えるのかなと思ったり。ひたすらに不穏な話。でもボロボロになったユリが「初めて2人に救われた」 と思うのがなんかよかった。ていうか、とにかくユリの美しさと狂気が気になって仕方なくなる。あと金原ひとみの書くセリフっていつも素敵だな~って思う。 頭がよくて経験があってそれを客観的に見れる人の書くセリフというか情緒。なんかえっちな情緒に溢れてる。 こういう会話がするするできる大人になりたかったはずなんだけどな…? サスペンスでもミステリーでもないのに生々しくておどろおどろしくて一気読みしました。よかったです。 ミーツザワールドも読んだけど、 世代的にfishyのが印象的でした。アンソーシャルディスタントもよかった。金原ひとみは「 依存する人」と「執着のない人」を書くのがうますぎる。

 

・田辺 聖子【春情蛸の足】
おせいさんのことは心底大好きで大好きで、なんでこんなに愛おしい本を書けるんだろう~~ と胸をぎゅうぎゅうにさせながら、定期的にひとり田辺聖子フェスと題し、自宅に保管している彼女の著書を読み漁ることをしているのですが 、この作品は改めて今年読んでやっぱ好きだな~って思った。 多分末澤くんを好きになったから。 大阪を舞台に食と男女にまつわる短編集なんですが、おせいさんのセリフ回しの粋なことよ!このテンポのよさと一筋縄ではいかぬ男女の関係性に、たこ焼きだのすき焼きだのお好み焼きだのが絡んでくると腹が減るんだよ~~~。 おでんの回がなんか1番グッときたし、「 この関係なんなのかしらン(おせいさん風)」 の末澤くんとおでんとか食べたいですね!(結局そこ)年明け早々の大阪行きの新幹線で読んだり、 静岡遠征のお供にしたり、 なんとなく東京を離れるときの相棒みたいにしてました。 2022年のマイ田辺聖子賞です。ただ、一生タイトルが読めない。

 

・山田 詠美【放課後の音符】
説明するまでもない有名な一冊。初読時は小学校6年生とかで、なんで12歳の私のもとにこの本が届いたのか、全く覚えてないんだけど、いわゆる児童小説じゃないものを初めて読んだ時の衝撃を今も覚え ていて。 自分よりちょっとお姉さんたちである高校生の恋愛があまりに大人 で羨ましくて、でも、悲しいかな、その年をとおに超え生意気にも恋愛の酸いも甘いも経験してしまった私が今読んでも刺さるものあるだろうか…と思ったけど、なんか読みたくなってのろのろと再読したら、まさかのぶっ刺さりました。まさかすぎた。ていうか、この当時の17歳、バカ大人すぎるて…。「男に抱かれる時アンクレットがシーツにさらさら揺れて綺麗」 だの「離島で彼と寝た後に飲むジントニックが忘れられない」 だの「おもちゃの宝石箱に煙草の灰を落とすなんて大人の子供の狭間みたい!」だの…いや、もう、クラクラする… 今の年齢でも言えないわ…。こんな叙情的な感情、未だなお知らない気するわ…。全部すごいいい話(短編集です) なんだけど、女の子が、28歳のオバさん(!) に彼氏を取られてピーピーして、その28歳のオバさん(!!) をこっそり見にいったら思ってた大人と違って( けだるそうな色気むんむんのお姉さんだと思ってたらすっぴんに赤 リップだけ塗ってるようなヘルシーな大人だった) だけど、17歳の背伸びしたい男の子をいとも簡単に子供に戻しちゃうんだな…って完膚なきまでの負けを認め、でも、ひとつの希望を見出したような彼女が本当にかわいいと思った。 自分が12歳の時に17歳になったらこんな恋愛できるんだ! とワクワクしてたけど、 17歳の時こんな恋愛してなかったと思う。けど、 今改めて見ると12歳の時に感じてたワクワクとは違う懐かしさと甘酸っぱさが溢れたので、改めて読んでよかった作品です。ただ表紙はこれじゃなくて昔のが好きなんだよなぁ。あとセックスだのエッチだのじゃなく「彼と寝ちゃった」 とかいうのが最高。私は「セックス」を「エッチ」というそこそこの大人に心底寒気がするタイプです。

 


エッセイだと柚木麻子「とりあえずお湯を沸かせ」 と川上未映子の「おめかしの引力」が好きでした!綿矢りさの「 嫌いなら呼ぶなよ」も痛々しくて最高だった! こうしてみると私はわかりやすく女性作家が好きなんだなと思う。今年男性作家の作品、再読以外で読んだ記憶があまりない。 ていうかゼロかもしれない…。来年は読みたいなぁ。渋谷ではジュンク堂の武骨な雰囲気をこよなく愛していて、胸躍らせながら2時間ぐらい平気でうろうろしてるので、遅い時間からの待ち合わせも全然苦じゃないんですが、 なんと来年の1月に閉店してしまうという由々しき事態…つらい… 本読みは渋谷のどこで本を買えばいいんだ…。 TSUTAYAは洒落過ぎてて肝心の読みたい本が全然ないってこ とがあるのであそこを本屋認定していません。 にわか本屋だからあそこは(ひどい) 漫画も映像もそこそこ見たけど、私はやっぱり活字が1番好きなんだなぁと思いました。仕事納めの日は毎年1万円握りしめてジュンク堂に行き、気になった本や読みたい本を好きなだけ買うフェスを開催してるの で、早く仕事納めしたい… あぁ来年はどこでフェスを行えばいいんだ… いい本屋教えてください。

 


次読みたい本たち