夢中で君に恋してる

ジャニーズとレモンサワーとハラ美

「死んだ人間は冷たい、もう燃えていないから」火の顔と北川拓実くん

気付けば最後の現場は2019年11月SANEMORIだったんですよ。 比較的地黒と言われがちな阿部くんの黒い部分は一切見せない白塗りの阿部くんだったんですよ。なんかもう昔過ぎて、あと、白すぎて、あれってまじで阿部くんだった?ってちょっと疑ってる。もしかして阿部くんじゃなかったんじゃない?って。いや、 阿部くんなんだけどさ、わかってんだけどさ。そのぐらい有観客の現場がはるか遠い昔のことみたいになっているってわけです。なんか、あれよね、テレビとかDVDでライブ映像見ると、興奮より先に、み、密…!って思っちゃうの悲しいよね。 当たり前だったことが当たり前じゃなくなっていることにいまだに慣れないし、なんか慣れたくないなって思ってます。天邪鬼かよ、 天邪鬼だよ。
 
んでね、なんかこう、コンサートというか舞台というか、 そういうエンタメ性の高いものに全然触れなくなっちゃって、 正直まーーーーじで辛いのよ。 精神的支柱を失ってめっちゃぐらぐらしてんの。滝沢歌舞伎の映画が演舞場で上映とか言われても、いや、でも本人たちいないし…って結構消極的な気持ちで、道枝さんのロミジュリ見たいなって思ってたらしっかり申し込み忘れてて、同じく那須先輩のトンボ… って思ってたらこちらもしっかり忘れてて。 なんでこんな忘れんのって、多分情報局のお知らせメールを通知オフにしてるからだと思う… ダメすぎ…(そもそもSMSは通知オフ)あ~あ、まじ暇。 これ私2021年も現場ないんじゃないの?って不貞腐れながら、 会社でヤフーニュースとか見まくってたわけです。暇だから。 会社にいて暇ってなにって感じだけど、普通に暇なんで。 やることあるけど、やりたくないっつーか(クズ) そしたらこんな記事見つけちゃってさ、
 
 
 
これ読んでたら、なんか自分の中の何かが吠え始めちゃって。 静かに燃え上がってしまって。あれ、これもしかしたら私見たいんじゃない…?って。結構お気楽に生きてて脳内変換あっぱらぱーなんだけど、根がメンヘラだから、虚無感抱える物語とか、イヤミスとか、いわゆる悲劇みたいな話が結構好きで。コメディで喜劇でゲラゲラ笑うのももちろん好きだけど、自分の本質に合ってるのは、こういう話なんじゃないの…?って記事を読みながら勝手にドキドキしてて。北川拓実くん、 少年忍者、17歳、舞台初挑戦、なんか多分暗そうな話。 今見たいのって、こういうのかもしれない…って思ったけど、 まぁね、当たり前にチケットとか終わってんのよ。終わってからこんないい記事出すなよって。 結局夢のまた夢かぁって思ってたんだけど、その日、16: 30頃にチケット再販(緊急事態解除に伴い全席開放のため) 私がそれ知ったの16:35。あれ…?もしかしてこれ、いける? と思い、チケットぴあ覗いたら、 まー自分でもびっくりするぐらいさくさく進んじゃって。 気付いたらチケットが手元にありました。でも、 インタビュー記事読んで行きたいと思って、 その日にたまたま再販して、たまたまいい時間にそれを知り、 これはもう神のお告げとしか思えなかった。なんつーか、運命…? (なんでも運命にしがち)
 
それが昨日だったんですけどね、吉祥寺って街自体が初めてで、もちろん吉祥寺シアターすら初めてだったんだけど、いや、狭~~ !!!って。私の劇場=帝国劇場か宝塚劇場なんで、 こういうこじんまりとした劇場全然行ったことなくて。 思いのほかめっちゃ顔見えるやん…うそやん… ってドキドキしたけどまぁひとりだから安定の澄まし顔してたけど 。浮かれてんの恥ずかしいし。 浮かれまくったワンピース着てたけど。
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あらすじがこちらです。

 

【あらすじ】
どこにでもいる、普通の四人家族。 父は現実から目を背け、母は自らの母性をアピールする。 姉は外の世界へ出る事を夢見て、弟は爆弾作りに没頭する……。 そこへ突然、現れる姉の恋人。 閉ざされた家庭に、新しい〈風〉が吹き込んだ時、 思春期の少年に渦巻いていた〈炎〉は、音を立てて燃えあがる。
 
私の拙い感想なんてレポにもならんし、舞台自体は終わったので軽くネタバレしちゃうと、

4人家族なんとなくぎこちない(姉弟が思春期)→ 姉弟がちょっとやばそうな関係(多分)→姉、 弟に性的ちょっかい出す→姉彼氏できる→弟、彼氏にやきもち→ 火にのめり込む→町の中で放火始める→姉彼氏と別れる→ 姉弟ふたりで放火始める→弟、田舎で療養させられる→ 帰ってくる→姉弟両親殺す→姉裏切る→弟、 家を放火し焼身自殺を図る→終わり。


…やばくない?なにこの絶望しかない話。 最初から最後まで全員気が狂ってて、 特にお姉ちゃんがはんぱじゃない気の狂い方で最高だった( 最高とは) なんならお母さんも娘に対してちょっと女出してくるのよ。 誰とも寝てないのに大人なわけないとか煽っちゃって。そんなお姉ちゃん、クルトの精通(かは知らんけど)勝手に手伝っちゃってんのよ。誰か17歳のジャニーズジュニアの恍惚な表情見れると想像したよ。しっかり興奮した。

 

お姉ちゃんそのあと彼氏と経験するんだけど、 何も変わらなかった!とか大騒ぎするし、いわゆるまじもんのメンヘラ。一番まともなの誰? と言われてもまじで…えー…お、お父さんかなぁ、ぐらいの感じ… 。お父さん全然空気読めない人だったけど、世のお父さんって大体空気読めないし(私調べ)最後、 両親を撲殺し、 血で染まったクルトがガソリンを撒いて自らも被って、 火をつけるシーンで終わるんだけど、もうこの話の教訓なに!思春期拗らせダメ絶対?!しかしこのラストシーン、まじで最上級の狂気をまとってて、笑いなしの絶望の中に希望すら見いだせないのがこの舞台。これが、火の顔。
 
 1時間45分ノンストップのお話だったんだけど、 なんかもうほんっっっっっとに見に行ってよかったです。 ほんっとに。冗談抜きで、よかった… よかった以外の言葉が全然出てこないんですよ。まずね、この主人公のクルトって男の子がまじで痛いしやばいし反抗期の常軌をゆうに超しちゃってる。家族に反抗しながら、 お姉ちゃんの体や性に興味を持ち、それを越すぐらい炎に興味を持って、 爆弾とか作り始めるってなんかもう近くにいたら絶対近寄りたくないタイプ…。 私の中の拓実くんってどっちかっていうと騒ぐタイプじゃなくておとなしく、みんなを見守るみたいなイメージでいて( あくまでもイメージ)え、え、これ、え、たくみ、え、? って脳内の情報処理がうまくできなくなっちゃって大変だった。 あれ、小田将聖くんのことが大好きな拓実くんだよね?( 拓実くん=小田将聖)見てるうちにどんどんこいつやべぇな… って思ってきて クルトという激ヤバイ反抗期男子に嫌気がさしてくる。 なにがしたいんだこいつは。でも、私もそうだけど、 大半の人って何かに対して破壊衝動を持ってたりすると思ってて。たまたまクルトの持ってる破壊衝動の分量の大きさがえげつなかっ ただけなのかなと思うと結構すんなり受け入れましたけどね。 染められやすい女です。思春期の時って ほんとになにもかもが嫌~っていう魔の2歳児いやいや期よりもたちの悪いいやいや期があって、大人になると、あ~あったな~そんなこと… レベルだけど渦中にいるときは大人のやることなすことむかついたり、反発したくなったり、そういう感情がクルトを作り上げたですよね、きっと。火にのめり込むことで、自分の中の何かも燃やし、少しずつ灰が散り積もって陰りしかなくなったクルトの心の葛藤が セリフの抑揚とか目つきとか動きとか、はじめまして。あ、 もう二度とお会いしたくないです。 みたいなただのクルトだったんだけど、 ただのクルトに見えてくる不思議というか。拓実くんだけど、そこにいるのはクルトだった。 拓実くんの肉体を勝手に借りてるクルトの魂そのものだった。 もうさ、まじで途中見いちゃって少年忍者ってこと忘れちゃってんのよ。うぜ~だる~クルトだる~って思いながら最後まで見てて、カテコで挨拶するときに両手でおててふりふりしたり、 後ろまで見えるようにぴょんぴょん飛びながらにこにこしてるときに、ぎゃ~~かわいい~~そうだ~~少年忍者だった~~ ってやっと引き戻ってこれた。あれなかったら、 私今後拓実くんの一生クルトだと思っちゃいそうだった( それはさすがに…)

 

控えめにいって、 初舞台でこの役って私が拓実くんだったらムリムリムリ…こんな、 こんな難しい役…無理!!!ってなるんだけど、いや、 私が拓実くんだったらってなんだよって話だけど。 控えめでおとなしそうな拓実くんの中にある燃え上がる炎が静かに力強く舞台上で爆発していた。 17歳のジャニーズジュニアが演じるにはあまりに問題作でありすぎるのに、彼を忘れるぐらい私が見てたのはクルトだった。目を逸らしたくなるけど、目が離せない。もっと見てたけど、もう見ていらてない。ふと、私の中のジャニーズジュニアに革命を起こした気がする。 キラキラ演技するだけじゃないんだぞ、と。 甘く見ちゃ痛い目遭うかもしれん。久々の有観客が火の顔で本当によかったと思うし、これまじでロングランだったら人に勧めてた。まじで概念変わるからって見てほしかったし感想語りたかった。 ありがとう北川拓実くん。 きみのおかげで私はまたジャニーズジュニアに可能性を見出して、今日からまた真剣に推していこうと思うようになりました。きみの肉体を借りたクルトに出会えてよかった。きみを通してクルトのことめちゃくちゃ嫌いって思えてよかった。